有機について

「有機栽培」など、野菜果物の販売で表示されている言葉や、農業について疑問に感じることを解説します。

有機って?

 有機栽培とは、単に3年間化学合成農薬や化学肥料を施用しない圃場で栽培されただけでなく、収穫後から流通されるまでの間にも化学物質に汚染されず、また周囲の他の環境で栽培された作物と混ざらないことが条件の一つです。言い換えれば゛有機゛として適切に生産され、適切に収穫され、適切に保管されたものだけが「有機栽培農産物」といえるのです。
 化学合成農薬や化学肥料を認めないのは、わかりやすくいえば、自然の根源的なエネルギーである太陽の光や土中の微生物で分解しにくい物質とされているためです。化学物質は自然界のライフサイクルからは逸脱した存在といえるのです。現在の有機表示は、これらの基準を満たしたものとして農水省に認定された登録認定機関による監査を経て認証を受けた証として、有機JASマークが表示されるようになりました。

有機農産物と環境
有機農産物と環境

BMW技術とは?

 B(Bacteria:バクテリア)、M(Mineral:ミネラル)、W(Water:水)の頭文字をとった環境技術で、畜産の廃棄物や食物残渣等をバクテリアと水と鉱物の力で、浄化するものです。
これは自然界で、大きな沼に枯葉や生物が多数落ちても水が浄化されるのと同じで、沼の底で鉱物の風化した泥と固有のバクテリアと水が自然の中で有機物を浄化していく作用を人工的に再現した技術です。
牛の尿などを河川に放流可能なレベルの水に変えたり、その水が生物の体内水に近い構造のため、野菜や果樹などの農薬を使用しない栽培のために有効と全国各地で非常に注目されている技術です。

米沢郷牧場 自然循環農業 集団リサイクルシステム
集団リサイクルシステム

資源循環型農業について

産業廃棄物の中でも食物残渣については、法的に他県への移動が認められるようになり、小売店の生ゴミなどを地方で堆肥化するなどの運動が始まっています。これら大幅な廃棄物循環は都市ゴミの減量化への一歩と評価されています。
ただし、堆肥化の中で微生物学的に、また、化学的にも適正な処理を行えるかどうかが疑問であるとともに、都市ゴミが地方の一部に集中し、そこから発生する過剰な窒素による水質汚染の可能性を危ぶむ声もあります。例えば、分別されない食物残渣中に病原性大腸菌などが含まれ、これを地方の牛糞堆肥と混ぜて発酵させた場合、これを利用した野菜を生で食べてしまう危険性もあります。一方、伝統的な日本の食品の残渣で、豆腐の粕などは、焼却するのに大量な化石燃料が必要となってしまいますが、かわりにこれを適切に発酵させ農業生産へ利用すれば、原料本来の安全性の確保がなされている上、組成が明確で水分を予測可能なため便利な資源にもなりえます。ということで今後の社会的資源循環には、工学的な手法と計画によるアプローチとともに、都市と生産地双方向のコミュニケーションが可能な、地域農業生産に対するシステム的なプログラムが重要になるでしょう。

資源循環型農業

日本の農業の現状と未来

国内では後継者の減少と、多国籍企業による商業開発を最終目的とした日本の農地接収などの社会問題を抱えています。他方では外的要因として、(1) ニュージーランドでのカット野菜用原料の増産につぐ増産、(2) 中国が国内の自給率を割ることも覚悟の上で外貨獲得のための輸出向け農産物の生産を開始、(3) 韓国の日本をターゲットとした施設栽培の急速な拡大による市場価格の下落に伴う経済的な圧迫などの問題があげられます。このように日本の農家一個人では対応不能な状況が数多くあるのです。
しかし、生産者から消費者へ直接生産物を届けるという20年にわたる産直運動の中で、当時から社会の逆風に向ってきた生産者グループでは、より消費者の側に近い流通計画と生産情報の開示により国産農産物の位置づけを改めて行い、日本の農地や景観を含めた環境を保全し、有機農産物などを生産しています。また、輸入農産物については、国際情勢による供給の不安定性や米国での放射性殺菌手法の許可など、一般の消費者に広く伝わっていないリスクについて、我達は考えてゆかねばならない段階に来ています。これが日本の農業の未来への選択肢として考えられています。

離職就農者数
*離職就農者数(現在の仕事を離職して新たに農業に従事したり農
的な暮らしをする人の人数)は42,000人強(1999年5月まで)で、
5年間で約2倍強に増えている。

有機栽培と特別栽培の違い



「 有機栽培 」
有機栽培は、日本ではJAS(日本農林規格)により、国際的なCODEX(FAO〈国連食糧農業機関〉・WHO〈世界保健機関〉合同の食品規格委員会)の表示にもとづいた形で、化学農薬・化学肥料を3年以上使用していないことを原則にしたものです。また、認証システム自体はその品質管理の仕組みにもとづいています。

「 特別栽培 」
特別栽培については、国際的な取り組みはなく、海外ではIP(Integrated Product)またはIPMという近いものがあります。例えば米国でいうIPは、農薬削減と労力低減がテーマのために、遺伝子組み替え技術も、その選択肢として入っています。日本では有機以外で特別栽培農産物という枠組みがあり、そこではガイドラインによる表示がされていますが、実態を捉えるためのルールや仕組みが明らかではありません。イー・有機生活では、特殊なシステムを開発し、農業者ひとりひとりの作業行程を毎日管理し、農水省のガイドラインに対して立証できる方法を展開しています。

 
有機農産物(改正JAS法)と特別栽培農産物(ガイドライン)の定義
有機農産物 化学的に合成された肥料および農薬の使用を避けることを基本として播種または植え付け前2年以上(多年生産物の場合は、最初の収穫前3年以上)の間、堆肥等による土作りを行った圃場において生産された農産物
 特別栽培農産物  無農薬栽培農産物 栽培期間中、農薬を使用しない農産物
無化学肥料栽培農産物 栽培期間中、化学肥料を使用しない農産物
減農薬栽培農産物 栽培期間中、化学合成農薬の使用回数を慣行的に使われる回数の5割以下に削減して栽培した農産物
減化学肥料栽培農産物 栽培期間中、化学肥料の使用回数を慣行的に使われる量の5割以下に削減して栽培した農産物

有機農作物は安全なの?

 有機農産物の表示に関する法律そのものは、国際レベルでの有機農産物の“品質”を保証するもので、それは直接“安全性”を約束する表示ではありませんが、総合的に見て、有機農産物では“安全性”の基準をクリアしている部分が多いといえます。
というのは、日本国内での正式な発表はまだですが、米国で農産物の安全な生産を行うという「GAP(適正農業基準)」というものと、有機農産物の基準の詳細を比較すると重なる部分が多いのです。重なる部分が多いというのは、科学的根拠から出てきた基準なので、厳密に明記されていることが多いということです。例えば、「堆肥は発酵ないし時間を経ているものを推奨する」などというのは同じ事を述べています。つまり、有機農産物を生産する過程で、“安全性”を確立する幾つかの手順にのっとっているのです。

GAP、ISO認定取得の動き

 経済のグローバル化にともない、工業界では品質や環境のための国際的な認証であるISOシリーズの取得が、もう普通になりつつあります。さらに22世紀に向けて、地方の村や町という地域で活動する農産団体がGAP(適正農業規範)やISO(環境マネジメントシステム)の認証を受けるということが始まっています。それは、地域が一体となった環境の中で農産物は生産されるのだということを早くから理解し、有機農産物の生産に努力してきた農業生産団体は、さらにこれを国際レベルで見直し始めたということです。商品そのものの品質を保証する有機認証と、生産の現場である故郷「田舎」の地域環境から発信できるシステムとしてGAP、ISO取得に取り組み始めたのです。
 

環境マネジメントシステム
環境マネジメントシステム

有機農産物の生産工程

 日本での有機農産物の認証は、生産のプロセスがどう管理されているか、またその管理が実際に農場や倉庫などで運用されているかを判定するものです。このプロセスとは本来製品の途中である半製品と半製品の間を指し、果樹など長期的な生育の農産物や葉もの野菜などの短期的な生育に関わらず、汚染が行われていないことと、有機以外の農産物と混じらないことが保証される管理システムを維持しているかということが大切なのです。つまり生産行程を管理する主体とシステムがあるかどうかが有機農産物の生産にとって重要なポイントとなるのです。

有機農産物の生産工程
JASマーク以外で「有機農産物」、「有機栽培」、「有機○○」等の表示を付してはならない

ガイドライン改正に向けて

「有機認証マーク」
JASマーク
認証機関名

“有機農産物”については、ガイドラインでなくJASによる表示が法制化されました。それ以外の減農薬・減化学肥料、無農薬などのいわゆる“特別栽培農産物”については、現状のガイドライン、つまり指針のままです。
これを有機表示のように認証をしていこうという動きもあります。また、その中で有機と等価値あるいはそれ以上の価値と誤まって認識させやすい「無農薬」という表示を廃止すべきだという意見もあります。その理由は、有機表示と違い、前作(前の生産)で多量の農薬を使用して、残効性があっても今作(今回の生産)で農薬を使用しなければ基本的には無農薬と表示されてまうという危険性を有していることや、無農薬であっても無化学肥料でない、など事実誤認を起しやすいと指摘されているからです。

「農村の生活」現代の田舎論とその生活実態

 「ふるさとは、遠くにありて想うもの」という詩がありますが、都市生活者のほとんどが地方出身者でありながら、田舎や自然のイメージに憧れているという統計があります。
反対に田舎ではメディアの普及で若者は渋谷などの文化をそのまま模倣したり、また介護のベンチャーサービスの地方進出などの現象もあります。昔ほど、都会と田舎の生活の差はなくなってきているのは確かです。しかし、「兎追いし彼の山 小鮒釣りし彼の川」という詩のように今も水田には稲穂が揺れ、せせらぎには魚の遊ぶ場所は残っています。必ずしも自分の故郷でなくても心に浮かぶ田園風景や緑溢れる地方の自然を守りたいという気持ちが、新しい田舎のイメージを形成し、都市と地方を結び始めています。「帰りなんいざ 田園まさに荒れんとす」という詩のように、都市からの想いと田舎で暮らす人々の環境への様々な働きかけが、「田舎」と「農」をもう一度よみがえらせ、生き方としての有機農業としての表現を始めています。

田舎Photo 都市Photo

ミネラルと体のイー関係

健康な野菜と言いますが、それは健康な土壌に育つからです。健康な土壌とは、土を形成するミネラルとそれをつなぐ物質を作る微生物と水のバランスですから、必然的にいい野菜は、必要なミネラルを吸収して、それらが消費する人間へと渡されていくわけです。自然界に二番目に多いアルミニウムの取りすぎが、現在アルツハイマーの原因と言われていますが、これもアルミ容器などから水を通じて起きるように、野菜でもミネラルバランスが崩れれば健全な生育が出来ません。 土壌からの吸収以外でも、ある種の植物ではその生体内でカルシウムの蓄積を行えるため、カルシウムが少ない土壌で育てても、カルシウム含有量が豊富であったりと素晴らしい部分もあります。今後は植物から摂取するミネラルの重要性が課題になるでしょう。もちろん通常の栽培よりも、有機栽培などでしっかり育った野菜はミネラルが多い、またはミネラルの活性が高いのです。

野菜Photo

「生産者と消費者のネットワーク」 イー有機生活で目指す2WAY

イー・有機生活では、インターネットなどのコンピュータの電子画面を通して、都市生活者一人一人の田舎への気持ち(それは森の香り、せせらぎの音、山を渡る風のきらめきを求めてやまない気持ち)に向けて、田舎で培われた大地への感謝の心と、そこから生まれる「農」という生活の実態を、「有機生活」というコンセプト名でお伝えしたいと思います。 ネットワーク上で、いつもは言葉数の少ない生産者が、個々のつくる心を情報として、その形になったものである生産物を通じて、語りかけていきます。それに対して、お客様の様々な要望をお聞きし、商品設計へ反映させるようなシステムを計画することから、有機生活の「田舎を売る」というテーマをより現実的にするために「ふれあい」事業などを企画展開していきます。 私たちが考える「有機生活」とは、生産者と消費者という立場を超えた、“田舎”を媒体にした心のつながりをベースにした生き方のことなのです。

e有機生活ロゴの由来
  1. "Electronic Commerce""Environment""Ecology"の"e"と yu-ki seikatsu の"y"をモチーフに、
  2. 新たな農業ビジネスの「芽萌え」をあらわしています。
e有機生活ロゴマーク
 
e有機生活マスコットキャラクター
有機ファミリー

遺伝子組み替え食品の功罪

 遺伝子組み替え技術には幾つかの側面があり、一つには遺伝的に欠損などがある遺伝病あるいは病気による遺伝子異常に対して、劇的な効果を生む遺伝子技術関係があります。これと対極的に、省力化あるいは食糧増産の美名のもとに、特定の農薬に対して耐性を持たせたり、ある植物にそれ以外の遺伝子を組み込んで栄養素などを形成させるなどがあります。特に遺伝子組み替えで恐れられているのが、特定の昆虫に対して毒性を持たせたり、特定の薬剤への耐性を持たせるための技術により生まれた植物の暴走があります。実際に起こった例でも、ある除草剤に対する耐性を持たせた植物が自然界で同種の植物と交配したため、それら自然界にあったものも除草剤耐性になり、生態系バランスが崩れたり、米国では予想よりも収穫量があがらず大問題になるなど、科学者の予想したものとは違う、思いもよらない結果を出しています。最終的に米国でも、消費者が遺伝子組み替え商品か否かの判断ができるような表示をせざるを得なかったように、遺伝子組み替え技術の功罪とは、将来にわたる結果が全て予測できるわけではないというのが真実です。

海外の有機栽培の実態

 欧州ではEUでの基準とIFOAMという民間でありながら国際的な有機認証を行う連合体機関での基準に若干のズレがあります。これは有機認証が一部(英・仏・独など)では、一国ごとに法律化したものがあり、認証の検査員も各国家に属しているため、基準も統一されていません。
これらを標準化するためにEU規制で統一しようという動きもあります。また、IFOAMに参加する国では、IFOAMの規制に合わせようとしています。しかし、欧州全体としてまとまらないため、一応、国際標準化機構(ISO)の認証機関の要件である「ガイド65」に準ずる形態にするよう推奨していますが、これも規制ではありません。

農作物における土壌の重要性と化学肥料の役割

 植物は、種類毎にまた生育ステージ毎に必要なミネラル成分が異なるため、一つの作付けが終わると、特定のミネラルが消費されます。したがって同じ野菜を育てると、そのミネラルが枯渇し、病気が出たり、生育に障害が出たりします。そこで、同じような作付けにならないように、違った種類の野菜や土壌を改善する野草を栽培する「輪作」という方法があります。また、ミネラル自体を自然から応用した技術で閉じ込めた生物活性水を施用する方法もあります。これを窒素、燐酸、カリウムが主体の化学肥料で補おうとすると野菜も出来ないような不毛地帯になってしまいます。また化学合成したミネラル要素で補おうとすると、即効性がある代わりに、土壌の他の物質とも結びつき、土壌構造を壊していくというのは経験的にもわかっています。

農薬や化学肥料を使用し、栽培された農作物の影響

 農薬も化学肥料も現在は見直しが進んでいますが、基本的に薬と表記されているので、使用する側にも使っても大丈夫だろうという誤解があります。しかし、農薬で普通物と書かれていても化学合成のものがほとんどで健康に影響しないものはほとんどありません。特に除草剤では、大半のものに内分泌撹乱物質(環境ホルモン)が不純物として入っていました。東京湾の海底で見つかる環境ホルモンの大半は、これらの除草剤に由来すると言われています。つまり、分析能力が進み、今までわからなかった身体的な影響が判明してきたわけですが、一方で農薬の開発も進んで、毒性を低めたため、環境影響が弱まり生物相が回復してきているという報告もあります。ただし、以前の長期間による農薬の残効性により、環境は元通りには回復するとはいえません。例えば、かつて使用した除草剤の主要物質が、河川にいまだ残っているため、その水系にいる魚類にも化学物質が含まれ、健康への影響を考えて、その魚類を喫食できないという事が北陸地方で起こっています。経済発展を優先して、増収を目的の中心にし、他の工業生産上の副産物を加工した化学肥料や農薬を使用してきたため、このような環境意識の時代を予測しなかったでしょう。  

情報化社会、高齢者社会における農業の役割

 情報化社会に一番乗り遅れるであろうと思われた一次産品の中で特に就業上の特性がつかみにくい農業分野においてこそ、他産業より一層のスピードアップした情報化を推進していかなければなりません。
消費者一人一人との関係を何年も大事にして、親戚付き合いのようにしてきた産直農家にとっては、今騒がれているOne to One の関係は当たり前のことでした。さらにネットワークを利用して、消費者と生産者がお互いの顔が見える位置でのコミュニケーションを高めて、より多くの方のニーズへ対応していきます。消費者をマスとして捉えるような見えない関係でなく、一対一のつながりが放射上に伸びていくようなことを目指しています。
生産者としても、手間をかけて作物栽培をする際に、お客様の喜ぶ顔を想像しながら作業をすれば、もっと良いものを、もっと美味しいものを育てようと更に精進できるものです。

心の病と「田舎」

心の病の時代と言われますが、都会はストレス社会で、しかも人との関係も希薄で対話のない世界が増えたからではないでしょうか。傷つけられたくないあまりに、思い通りになるゲームやTVへの感情移入しか出来なくなり、人を傷けることには無感覚になるのかも知れません。心のふれあいも始めは対話から始まります。例えばイー・有機生活で、メール上の対話を行う時は、その人の気持ちを大事にするような顔の見える関係を構築するための対話を行っていきます。私たちは「田舎」という文化に人間らしさがあり、自然との共生には心のやすらぎがあると信じています。それが、「田舎を売る」というふれあい事業の出発点なのです。

なぜ、有機栽培農産物は高い?

 一般的に化学合成農薬や化学肥料を使用しないと収穫量はかなり低下します。おまけに天候によっては病害や虫害が起こる可能性も高く、そうなると生産者は壊滅的なダメージを受けます。有機栽培は、これらを乗り越えるための努力を惜しまないので、どうしてもコストが高くなってしまうのです。手間ひまかけて育て、雑草や虫も手で取り除いたりと非常に細やかな管理を必要とします。粗放栽培(種をまいたままで手をかけない栽培)のように、ほったらかしでおいて食味まで期待するような有機農産物ではなかなか人に勧めるのは難しいです。だから一般的に高いといわれるのです。
さらに、今までの有機農産物の出荷は大半が専門店向けであり、それら以外にきちんとした有機農法ではないのに、有機の表示をつけていた“自称”有機農産物(なんちゃって有機と呼んでいますが)は息をひそめつつあります。したがって、市場に出まわる量も少なく、昨今のオーガニックブームも手伝い、供給不足気味で消費者の手に渡るころには高くなってしまう可能性もあります。
ただし、これらの苦労を乗り越えて安定した有機栽培を実現しつつある農家もあり、単に値段だけではなく、その方々の努力と環境への高い認識を、ぜひとも理解していただきたいと思います。

有機栽培農産物を食べると、どんなメリットがあるのか?

有機農産物は、(1)安全性、(2)植物本来の栄養素、などの確保がなされると考えられています。難しい話になりますが、(1)で言えば、有機農産物は適正な肥培管理と薬物汚染による人体への影響の考慮が前提としてあり、適切な窒素の施用による植物体の硝酸態窒素(発ガン性物質)が抑えてあり、また化学農薬を使用しないために安全性の確保がなされています。(2)では、最近のほうれん草の例では、含有カルシウムの量が水耕栽培が最も低く、ついで慣行栽培(普通栽培)そして有機堆肥を施用した栽培の順で、水耕でのカルシウム量は通常ほうれん草で期待されている量をはるかに下回ってしまったそうです。 また有機農産物は自然の中で健康に育っているため、土中のミネラル成分を蓄えている事から、食物繊維とともに他の食品から得にくい栄養素を取ることが出来ます。

本当においしい「野菜」の見分け方

 おいしい野菜の見分け方は、一品一品異なるので、今回は一つの見方だけを紹介します。  
「葉もの野菜」は、緑色が濃く黒光りするようなものは窒素量が多く、いわゆる灰汁(アク)が多いのであまり体に良いものではありません。さっぱりした黄緑がかった緑のものがオススメです。
「なり物野菜」は、なすなどヘタがついているものは、ヘタがしっかりしているものを、ヘタがない胡瓜などは断面の色あいを見てください。断面がさほど大きくない(調整をされていない)茶褐色に染まっていないものが新鮮です。
「根物野菜」は、土がついていないものは、切り口を中心に確認して、土付きのものは、土の乾き具合とさわって曲げた時の弾力で見わけてください。鮮度が衰えてしまうと、くにゃくにゃと張りのない感じになってしまいます。
また、「葉もの野菜」などは切り花のように水につければ、シャキと蘇生しますから、小売店などでの見た目のシャキシャキ感では本当の鮮度は判断できませんのでご注意を。

野菜によって違う、上手な保存方法

 野菜は、通常低温保管と言われます。しかし、熱帯、亜熱帯原産の野菜で低温を嫌うものに、(1)さつま芋(2)生姜(3)里芋などがあります。これらは室温でしかも低温になりすぎないように注意をしないとすぐに傷んでしまいます。長時間の低温保存の後の温度上昇に弱いものには、(1)モロヘイヤ(2)大葉などがあります。これらは冷やした後はすぐ利用することが大事です。
レタスはぬれた新聞紙に包んで冷蔵庫ヘ。カットした部分をラップで覆い、空気に触れないようにすると長持ちします。  
その他では、玉ねぎやニンニクは乾燥させておいた方が日持ちします。ネットなどにつるして風通しのよい、湿気の少ない所においておくとよいでしょう。ねぎ類は土に植えておくと鮮度を保つことができます。またアスパラガスなどまっすぐ上に伸びていく野菜を寝かせると鮮度はあっと言うまに落ちます。白菜も新聞紙に包んで立てて冷暗所に置きましょう。低温での長期保管に向くのは、ご存知のトマトやブロッコリーなどがあげられます。
一般的に土付き野菜を長持ちさせたいときは、一度土を洗い落としてから冷蔵庫に保管すると土壌の微生物が流れ落とされるので、急な鮮度低下は避けられます。

家庭菜園で有機栽培はできるのか?

家庭菜園や市民農園で有機栽培に取り組まれている方は数多くいらっしゃいます。また、マンションにお住いの方でも、ベランダなどの軒先でミニトマトなどの有機栽培に挑戦されている方もいらっしゃると思います。 都市部では、高層ビルなどで虫が登れる高さ以上のところで栽培するなど、通常の農業では有り得ない好条件で有機栽培ができるケースもあります。 いわゆる庭先栽培で作るとしたら、ニラなど複数年収穫するもので、多く収穫できる野菜が向いていると思います。夏場の途中で辛くなるかもしれませんが、やはり数多く収穫できるししとうなども適していると思います。どちらもあぶら虫やスリップスなどの害虫がつくことはありますが、あぶら虫では牛乳の噴霧、スリップスでは木酢(もくさく)と唐辛子を混ぜたものを噴霧するなどの工夫をすると、ご家庭でも安全でおいしい味を身近で楽しむことができます。 ぜひ、皆さんもチャレンジしてみてください。

畜産物や加工品の「有機認証」や格付け

 先行した欧米の有機認証でも、畜産物についてはその餌の内容が問題になってきています。穀類の世界制覇を狙う米国が強力に推しているものが、餌も有機でなければならないというものです。欧州のその場合は、完全有機の飼料化ではなく、その割合を問題にしようとしています。
一方、自給率の低いアジア地域は、まだそこまでの段階に至っていません。しかし、将来的には合意点をとらねばなりません。加工品は、畜産加工品を除いて、農産物加工品では有機原料の割合と加工の状況で有機認証を日本でも海外でも行っていますが、有機原料の比率では欧米で格差があります。

有機農法で使う特別な農機具(機械化・システム化)

 専門の機械というのではなく、通常使用している機械に、研究熱心な農家が工夫を凝らしたものはあります。(実は、秘密の技術もあるのですが、ちょっとここでは・・・・)。今広く知られているのは、田んぼの雑草を抑えるのに、再生紙をカーペットのように敷いていく紙マルチ機械で、かなり普及してきました。
古くは管理機のように、株と株の間を懸命に押して、雑草を轢いていく機械や、力や手間を惜しんではいけない機械ばかりです。何しろ除草剤を使えば一発ですむ作業なのですから。
システムとしては、生物を他生物の駆除に使用するシステム、除草のために生物を利用するシステム、生物の習性を利用して花粉をつけるシステムや特定のフェロモンで害虫のオスを呼び寄せ繁殖を妨げるシステムなど有機農家は懸命にチャレンジしています。これらも化学物質を使えば簡単なのですが、将来を考えれば、何世代まで影響を及ぼすのでしょうか。やっとこんな簡単なことを見直す時代になりました。

雑草の活用法

 水田では、れんげを咲かせて地力をつけたりします。乾いた田んぼにれんげの花が咲きほこる姿は美しいのです。連作障害の原因になる土壌線虫を抑えるために、マリーゴールドの花の咲く大根を播く前の畑で黄色に輝く姿も良いものです。
畑に生えた雑草そのものを堆肥に還元できれば、過剰な窒素分は生育中に消化され、堆肥にはミネラル分を戻してくれます。土壌をクリーニングしてくれる草も、野菜に感化作用を及ぼしてくれる草も、田んぼのまわりの畦道に蒔いて、他の草よりも旺盛になって、高齢化した農家での除草作業を楽にしてくれる草もあります。一概に、みんな「雑草」といって一緒にしてはいけない気がします。
またカヤは、稲と同じく、天然のシリコンを豊富に含んでおり、土壌に良いものとして昔はわざわざカヤの生える湖沼から、川を船で渡って運んでいくほどの価値があったのです。

日本の気候・風土・地形は有機栽培に適さないの?

 有機栽培そのものの始まり時点では「認証」などの考え方はなく、自然と共生する農業という考えが基本にあり、その意味では、日本は先駆的な存在でもあったわけです。「有機」の枠組み(規則性)では、欧米が決め事を作ってしまったので、乾燥地域の多いそれらの地域に有利なルールが基本となってしまいました。例えばワインという食文化が欧州では省いて考えられないので、ワインに通常使用するような薬剤関係は、有機栽培に使用して構わないように許容されています。
国際的な有機栽培の認証機関の集まりであるIFOAM(国際有機農業運動連盟)でもアジアでの有機認証の基準を作るべきだと何故か欧米人に指摘されますが、日本では国際標準化の名の下に工業界と同じく欧米での基準に合わせてしまいました。したがって、日本で有機栽培が難しいという事と、自然条件とはまったく論点が違うのです。

認定農家とは?

 認定農家は、食管法の撤廃の時期に当初は地域で専業で農業に励む人々へ資金調達の道を開くなどの目的で開かれた認定でした。就農者確保のために、従来の「農用地利用増進法」内の農業経営規模拡大計画を発展させた、「農業経営改善計画の認定制度」のことです。  
 自らの創意工夫に基づいて農業経営をする者が増えることを目指したのですが、一方で「市町村の基本構想に照らして適切であること」や「コメの生産調整(減反)対策が考慮されていること」が認定基準になっているため、認定を受けたら行政のなすがままに農業に従事していかなければならないという問題点も含んでいます。  
 さらに、コメの販売価格低下や減反面積拡大により、認定を受けて借金をして拡大をすればするほど経営が上手くいかなくなるケースも出てきています。農水省が2003年までに30万人の認定農家を目標とするといっていますが、2000年3月では約15万人という数字になっています。

同じお米(銘柄)でも、産地によって味が変わるのは何故?

知られているようで知られていないようですが、同じ日本でもおコメは東日本の軟質米と西日本の硬質米とに分かれるのが、大きな違いです。  
 さらに、早場米地域では夜間の温度が下がらないので、食味に影響を与える"でんぷん質"ののりが悪く、味が異なってきます。また九州など、土壌に窒素が多い地域では、こしひかりなどの重粒種の場合、稲が倒れてしまうので作りにくくなるようです。  
 また、同じ地域でも、土壌の違いとともに、利用される水の違いも食味に影響を与えています。従って、田んぼにも等級が7種類決まっていて、初めから米の良し悪しを決定しているのです。これらの要素の絡みあいで、同じ銘柄でも米の味が変わるのです。

ポストハーベストとは?

 収穫後の農作物に害虫やカビが発生したり、輸出用などで貯蔵中に発芽するのを防ぐために、収穫後に使用される薬剤のことです。よく話題になるのは輸入レモンの防カビ剤がありますね。  
 国によって、国内輸入基準では使用禁止にしていても、輸出向けでは許可しているような国もあります。

野菜による、農薬の残留率の違い

 それは農作物の形によるものと、性質によるものに大きく分けられます。  
 例えば、パセリの葉ですと、農薬が葉の表面に付着した場合の葉の表面積が大きいため、必然的に付着する農薬の量が多くなります。又、性質によるものとしては、玄米では白米部よりヌカ部や胚芽部の方に農薬が検出されることが多いようです。また、果実では果肉部よりも果皮のほうが残留濃度が高い場合があります。

合鴨農法とは?

合鴨農法とは、田の周りを柵や電気ネットで囲い、田植え後2〜3週間をメドに鴨のヒナを放し飼いする方法です。合鴨が田の中を泳ぎまわり、その際に厄介モノの雑草を足で掻いて抜いてくれたり、害虫を食べてくれます。また、その糞は養分供給になります。最終的にはおかずとして肉を供給してくれます。  
 いいこと尽くめのように聞こえますが、合鴨は他の鳥や野犬に狙われ、管理に手間が掛かったり、糞の量によっては水田が窒素過多になってしまうなど、注意が必要です。しかし、手間がかかる分、おいしくて安全なお米ができるのです。

遺伝子組み換えの問題

  1. 人間が長期に摂取した場合の人体への影響が検証されていない。
  2. 遺伝子組み換えに対する情報公開の制度の確立が国際的にまだ不十分である。
  3. 人間が直接摂取しない場合でも、家畜の飼料へ入った場合に、その肉などを摂取した場合の影響が検証できていない。例えば、害虫を殺す蛋白質を持ったトウモロコシを家畜が摂取した場合、その肉などを食べた人にアレルギーを起こす可能性が問題視されている。
  4. 組み換え品種が旺盛になると在来種(古くからある品種)などと交雑し、生物の多様性が失われる。つまり、雑草に強い遺伝子組み換えダイズがはびこり、弱い在来品種が廃れていってしまうなど、植物界にも弱肉強食の世界が生まれてしまう心配がある。
  5. 遺伝子組み換え品種の種を開発した種苗会社による農産物・種子の独占的支配による途上国の問題。本来、途上国にあった在来種を種苗会社が組み換え操作をし、それに特許をつけて販売して、途上国の種子を略奪しようとしている。

以上の理由などから、遺伝子組み換えに反対する動きは多く見られます。特に欧州では国際会議の場でも強く反対の意思を示していますが、欧州企業でも遺伝子組み換えの最先端にいる企業は少なくありません。

農家の方の1日のスケジュールは?

 畜産農家は太陽と一緒に目覚めます。動物の生活にあわせて作業するので、牛を育てる農家は牛に、養鶏農家は鶏に似てくるとよく言われます。それは、あくまでも生活パターンが似ることであって、顔かたちがそっくりになることではないので誤解のないようにお願いします。  
 野菜農家も夏場はサマータイムで、真昼の時間を避けて涼しい朝早くと夕方を中心に外で作業して、日中は出荷作業などをします。冬場は朝が明けるのが遅いので、明るくなってから、日が落ちるまで作業をします。休みたいときに休めるように見えますが、手を抜いた分だけ自分に返ってくる仕事なので時間の配分が重要で、これも農家のノウハウのひとつといえましょう。やりくり上手な農家の奥さんは、何とかスケジュールを空けて海外旅行に行ったりもしています。

スーパーと「イー・有機生活」で有機栽培農産物を購入する際の違い

 有機栽培農産物は供給量が少ないため、今後スーパーなどでは、国産のJAS認証を受けた有機栽培の農産物はあまり見かけなくなるかもしれません。イー・有機生活では、国内有数の有機農家の集団として、生産者である農家が直接有機栽培の農産物を販売していきます。小売店で販売する有機農産物と表示上では差異がありません。しかし、収穫したものをその日に発送しますので、翌日食卓にあがるまでに鮮度が落ちないため、味わいが違うはずです。スーパーの流通でも、早くて、生産者(直接契約)→スーパーの配送センター→翌朝各スーパーですし、大量物流の中での小分け作業などを経ますから時間がかかりますし、多くの人の手に触れられてしまうのです。イー・有機生活は、田舎から直接旬の味をお届けすることを基本としています。

料理をするときに、有機栽培ものとそうでないものでは、調理方法が変わるの?

 野菜は特に灰汁(あく)の問題があります。灰汁の中身には、硝酸態窒素という物質があり、これは化学肥料などで窒素過剰になっている野菜に多く含まれ、大量だと発ガン性のあるものなので摂取をできる限り抑えたいものです。  
 有機栽培の野菜でも、この点では危険と訴えた記事がありました。しかし、有機栽培できちんと施肥管理して、これをクリアできるものだけを米国でも有機栽培といっています。間違えないで欲しいのは、堆肥の熟度などの管理があってこそ有機栽培が実現できるのです。ゆっくり効いて来る有機堆肥の中で、加減を間違えたら他の障害がでるわけです。

どうすれば農業に従事できるか?

 農場体験については、イー・有機生活のふれあい事業部門で提案していきます。子供向け、大人向け、高齢者向け、ファミリー向けで考えています。また就農を希望される方に対しても、ホームページ上で、場所や状況、条件を提示して、地域で農業に係わる人が増えるような支援をしていきたいと考えています。実際に農場体験や新規就農を10年以上手助けしてきた産直産地ならではのプログラムをご提供します。新規就農について色々な体験やエピソード、地方での様々な支援プログラムなどもご紹介します。

有機栽培においての虫や異物の混入

 「加工食品」では生物や異物が混入されると危害が増えるということで、これらを排除するシステムが食品加工業界では必要になっています。一方で有機栽培は、自然の中で生物の多様性を環境循環に取り戻すというのが目的ですので、田んぼに行けば驚くほどイナゴや赤とんぼが戻ってきていたりします。
また、有機栽培では、収穫後の薬剤燻蒸などを行わないので野菜や米など、品目ごとに違う虫がつきます。ただし、虫に食われて食用に向かない野菜などは珍重しません。鮮度を中心に考えると虫も全く入らないわけではありませんが、洗い落としてしまえば問題ないものです。ただ虫が嫌いな方もいらっしゃると思いますが、そのような方にこそ、生物相が回復してきている畑や田んぼで雑草とともに風にふかれながら、ふれあい体験に参加していただきたいと思います。虫の有無ではない、工場で作られるものとは違うエコ農産物の本当の価値が感じてもらえると思います。

農業の後継者不足

 農家にとって、実際に後継者不足は深刻な問題です。農業従事者の多い県でも一行政区当たりでの後継者がめっきり減っています。一つには親が子供に農業を薦めないこと、もう一つには子供が親の作業の苦労を知って継がないこと、もう一つには後継できる経済基盤がなくて継ぎたくても継げない事情などがあります。
酪農家では、ミネラルウオーターよりも価格の安い牛乳を作っているため生活は苦しく、生き物が相手だけに、牛がいる限り遠くに旅行にも行けないケースもあります。有名な酪農の学校でも、酪農家出身の学生の数は減っているようです。
しかし、このような状況の中でも若い農業従事者は頑張っています。イー・有機生活の仲間にも夢を持った若者が数多くいます。新しい有機栽培の研究や農業のシステム化など彼らの力は不可欠なのです。

有機栽培しやすい農作物とそうでないものについて

 高温多湿に強いものが、有機栽培がしやすいとよく言われます。 果樹類は特に日本では、大変有機栽培が難しいのですが、例外的に「びわ」と「キウイ」は有機栽培しやすいもののようです。野菜については、やはり難しいものが多いのですが、モロヘイヤは通年栽培をしなければ、あまり薬剤を使用しないで収穫可能です。有機栽培に適している農産物に共通しているのは、何度も一つの株で収穫できることと、季節によって成長が早く虫の食害にも強いものです。季節を選べば、根もの野菜で人参や里芋また冬場の大根でも病害が少なくてすむものです。

大規模農業と有機栽培農法との関係

 大規模といっても、欧州型、米国型、中国型では有機栽培の扱いは違います。欧州では、農業生産を管理的に抑制していこうという目的と環境負荷を抑えるという2つの理由があって、有機栽培を推奨しています。それも有機栽培を行った畑には直接的な経済保障をしているので、規模が拡大されてきました。
米国では、皆さんがイメージするような大規模農場で有機農業が始まったわけではなく、当初は一部の理解される人々向けに細々と生産・販売してきたものが(今でもそういう人々も残っていますが)、国内だけでなく海外での消費の拡大とともに、乾燥した気候などの利点と移民労働者の極端に安い賃金の上に成り立った大規模生産が現れてきたのです。
中国では外貨獲得のため、広大な面積で国策として有機栽培への取り組みが始まったばかりです。 日本では、比較的大規模に農地が集約されたのが、北海道と九州の一部にあり、本州でもそう多くはありません。隣地での農薬の使用により、使用しない畑へ虫が移行してしまったり、病害が有機の畑で起きたときに逆に農薬を使用しているところから疎まれたり、コメなどでは地域単位で農薬を空中散布していて、自分が有機農業を志しても、周囲の環境要因によって認証がとれなかったりします。国内では、有機栽培は地域ぐるみによる取組みがなければ成立しないのが現状です。

農産物のブランド化について

 農産物をブランド化するのに、色々な試みをする人がいます。添加物として日本とブラジルで認められているステビアを利用してステビア農法というブランドを作った人がいます。ステビアとはノンカロリーの天然甘味料として南米で利用されてきたものですが、一部発ガンの可能性も指摘されたため、安全性確保のためにステビアを育ててから、それを利用して果樹の甘味を上げる目的を果たすという方法を考え出したのです。
自分がずっと正直に無農薬・無化学肥料でお茶農産物を作ってきても、有機認証を取得してブランド化しなければ売れないと小売店から要求される農家もいます。ブランド化すべきは、栽培の技術や品種の特異性ではなく、消費者の皆さんと何年も培った信用ではないでしょうか。人を惹きつける事や関心を引くことは、一度ならば出来ましょうが、20年以上も続けてお付き合いして、楽しいことも辛いこともともに時代を過ごしてきた産直農家たちが、自分達の田舎を改めて都会に紹介していこうという、この「有機生活」ブランドにどんどん農家の仲間が集まってきています。大切な田舎をブランド化することが、私達のいま最も重要なことだと思っています。

玄米って何がいいの?

 玄米とは、簡単に言うと、白米にする過程で糠や胚芽を除く前のものを意味しています。面白いことに、米の横に白を書くと「粕(かす)」ですが、米の横に健康の康を書けば「糠(ぬか)」になると例える人がいます。玄米をうまく利用すると、ビタミンBや、食物繊維などが摂取できます。
ここで注意してほしいのは、食用で販売している玄米は、通常の販売の玄米を一度糠の部分を傷つけて、吸水性を高めるような処理をしています。この過程を経ないとうまく炊き上がりませんので、体内での栄養吸収に災いします。

七分搗(づ)きって何?

七分とは、米の搗精度合(精米の度合)を指し、胚芽も糠(ぬか)もほどよく残し、そのまま炊いても問題ない程度にしたものが七分搗き米です。糠にも胚芽にも農薬の残留の心配が普通はありますが、有機生活で扱っている"有機生活まほろば"などのお米は毎年定期検査を受けてパスしており安心です。

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